大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

大阪高等裁判所 平成3年(行コ)37号 判決 1992年8月31日

控訴人

岡谷弘子

右訴訟代理人弁護士

清水賀一

被控訴人

加古川労働基準監督署長和泉信一

右指定代理人

山本恵三

山崎徹

中村悟

伊達雄志朗

宗光甫友

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

第一当事者の求めた裁判

(控訴人)

一  原判決を取り消す。

二  被控訴人の控訴人に対する昭和五九年五月二八日付けの労働者災害補償保険法に基づく遺族補償給付及び葬祭料を支給しない旨の決定を取り消す。

三  訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。

(被控訴人)

主文同旨の判決

第二当事者の主張

原判決五枚目裏五行目の「労災保険法」の次に「に」を加えるほか、原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。

第三証拠関係

原審及び当審の証拠目録に記載のとおりであるから、これを引用する(略)。

理由

一  当裁判所も控訴人の請求は、失当として棄却を免れないものと判断する。その理由は次のとおり訂正するほか、原判決理由説示と同じであるからこれを引用する。当審で取り調べた証拠も右の認定・判断を左右しない。

1  原判決九枚目裏七行目の「その」(本誌六〇一号<以下同じ>9頁4段21行目)の次に「昭和五八年三月から同年五月までの」を加え、同一二行目の「一二〇六件」(10頁1段2行目)を「一一一二件」に改める。

2  同一一枚目表三行目の「残業が午後八時を超えた」(10頁3段5~6行目)を「退社時刻が午後八時以降になった」に、同四行目の「コンピュウーター」(10頁3段7~8行目)を「コンピューター」に各改める。

3  同一二枚目表一一行目の「状態」(11頁1段15行目)を削り、同裏一行目の「脳出血は、」(11頁1段20行目)の次に「外傷によるもののほか、」を加え、同三行目の「通常であり」(11頁1段25行目)から四行目の「但し、このような」(11頁1段27~28行目)までを「通常であるが、同時にまた、その」に改める。

4  同一三枚目表二行目冒頭(11頁2段18行目)から同一〇行目の「明らかでない。)」(11頁2段5行目)までを削り、同一一行目の「高度の頭痛」(11頁3段7行目)と同一二行目の「高度な頭痛」(11頁3段9~10行目)をいずれも「後頭部、側頭部の疼痛」に、同末行の「及びその前数日においても」(11頁3段11~12行目)を「の勤務時間中に一時帰宅したほか」に各改める。

5  同一三枚目裏二行目(11頁3段17行目)の次に行をかえて次のとおり加える。「なお、控訴人本人は、訴外重雄が昭和五八年五月中旬から下旬にかけて吐血や下血などがあった旨を原審で供述し(甲第五号証の控訴人の上申書も同旨)、原審証人木下馨も、訴外重雄から吐血や下血があったと聞いている旨を供述する(甲第七号証の木下馨の上申書もほぼ同旨)。しかし、控訴人、木下馨とも、昭和五八年七、八月に高砂労働基準監督署において訴外重雄の健康状態などにつき事情聴取をされた際、右の吐血や下血などについて何も触れていないこと(乙第三号証、第四号証の一)に照らすと、当該事実があったか否かはかなり疑わしい。更に、訴外重雄の場合、これらの事実があったとしても、それらが本件事故となんらかの関係があったと認めるべき証拠もない。」

6  同一一行目から一二行目(11頁4段6~7行目)へかけての「本件事故の直前少なくとも一週間以内の近接した時期」を「本件事故前のこれに比較的近い相当な期間内」に改め、同末行(11頁4段9行目)の「到底」を削る。

7  同一四枚目表一一行目の「症病」(11頁4段28行目)を「疾病」に改め、同裏七行目冒頭(12頁1段15行目)から一〇行目末尾(12頁1段22行目)までを削り、同一二行目の「その間」(12頁1段26行目)を「両者の間」に改める。

8  同一五枚目表二行目の「贈悪」(12頁2段1行目)を「増悪」に、同七行目の「前記二における」(12頁2段12行目)から同裏二行目の「明かであるので」(12頁2段29~30行目)までを「本件においては、右の落ち度があったこと及びそれが本件事故と業務との間の相当因果関係の有無についての判断を左右する程度のものであったと認めるべき資料はないから」に各改める。

二  よって、原判決は正当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法九五条、八九条を適用して主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 仙田富士夫 裁判官 前川鉄郎 裁判官 渡邊壯)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例